サマリタン

映画、本、毛糸もろもろ。

ネズミ

今、年賀状を書いている。
出だしは好調であったが、結局、年が明けてしまった。


そんな私が偉そうなことを言えた義理ではないが、
最近の若人は年賀状を出さないし、手紙そのものを書かないそうだ。
実際、電子メールでの挨拶が増えた。
しかし、電子メールアドレス以外の連絡先を知らない人は、
未だに知人以上に親しくなるかどうか、保留することにしている。
また、相手にとって私とは、
将来的に消息不明になっても構わない人間なのだと、捉えている。

一方で、連絡先とは即ち携帯電話の番号と電子メールアドレスになりつつある。
それによって、個人レベルでのコミュニティやネットワークは格段に広がった。
IT革命(2000年流行語)も随分浸透したものだ。

しかし、広大なネットワークの中に個人は埋もれていく。
たとえ一本の糸が切れたところで、他の回路によって容易に修復できるとはいえ、
私には、電子情報だけで構成されたネットワークの糸は、細くて脆いものに見える。
古い考え方と言えばそれまでであろう。
それは、長い時間に耐えうるのか信じきれない。

もし、たとえば、私の知っている誰かが急逝したとき、
私はどのようにして、その訃報を受け取るのか。
それは、その人との関わりによって決まるものである。
また、いつかはわからないがいずれ訪れる、自分自身の死が
誰の手によって、どのように伝達されるのか、
誰に伝えられるのか、誰に忘れられるのか。
人と人との繋がりが、私という個人の存在の痕跡そのものとなる。
それを、電子情報ではなく、手に取れるものとして残していきたいのである。

私は手紙には手紙の効用があると信じている。
だから、手紙を書く。
それを強く主張するつもりはない。
だが、手紙を受け取る喜びを知らない人は、少しだけ淋しい人だ、と思う。

今日の一言
今年、某ネズミ王国が更なる勢力拡大を巧みに展開するであろう。
ペイペイサラリーマンにはチャイナフリーは無理だけど、
私は常にディ×ニーフリーを心がけています。