サマリタン

映画、本、毛糸もろもろ。

1800円は高いのでDVDばかりですが。

またもやご無沙汰である。
最近ゴールデンウィーク前後を中心に、
雑事、というにはあまりにも重要な事態を処理していたので、
ご勘弁願いたい。

多忙とはいえ、ほとんど移動か自宅待機だったので、
やたらめったらDVDやCSを見ていたので、
最近見た映画について、いくつか覚書をしておく。


Amazonリンク貼りました。

まずは劇場で観たもの。
ワルキューレ


トム・クルーズ主演。
詳細は公式HPに譲るとして、
あまり世間では盛り上がらなそうな映画だった。
個人的には好みのタイプなので、
わざわざ劇場で観たわけである。
いやー、トム・クルーズがドイツ人に見えるってすごいことだ。
クリント・イーストウッドはアメリカ人にしか見えなかったけど。
(『荒鷲の要塞』)
連れによれば、トムは決意した表情が上手い(と言うか地顔がそう)。
私、特に大ファンでもないけど、
最初に、親なしで映画で観た作品はトム・クルーズ
結構劇場率高い俳優だ。

他、テレンス・スタンプケネス・ブラナー等など、
キャストは素晴らしく豪華。
オッサンばっかりだけど。
メインキャストで女性は主人公の妻だけだ。
(『ブラックブック』のヒロインでもある)

本当のメインキャストは当時のドイツを再現した映像そのものであろう。
淡い灰色がかった、
何か、フィルター越しに見たような、
それでいて、くっきりとした静寂で冷たい空気感がよく出ていた。
すべて、本物ではないとわかりながらも、
町並みは、緊張感と悲壮感、混迷に満ち、
戦争末期のドイツはこうだったのかもしれないと思わせる良い出来であった。

一方、私(と連れ)の大きな関心は、
戦車及び飛行機、並びに軍服等の再現にあった。
特に飛行機。
戦車が動くシーンはないが、
飛行機のシーンは釘付け。
同型のプラモデル探し中らしい。
私は軍服の再現に関心した。
一部、本物を借りてきたと言うが、
俳優に合わせて、作ったものも素晴らしい。
どれも十分に満足のいく出来であった。
音楽も良かった。
CD買おうか考え中。

ストーリーについては、結末を知りながらも、
「もしも」と「やはり」の繰り返しで、
とても緊張感のある仕上がりで脚本と演出の工夫を感じた。

わざわざ劇場で観た人(しかも公開初日)は少ない映画だろうが、
良作として今後も残っていくものと期待する。

次、DVDで観たもの。
『SAW5』


いい加減にしろという声もありながら、
まあ、見ておかないとねえ、ということで、
一人でテレビ観賞。
連れはわざわざ台所へ避難していた。
悲鳴とか、悲鳴とか、悲鳴とか、
まあ、聞きたくないらしく、
わざわざ音楽をかけて。

所見としては、登場人物をきちんと覚えておかないと分かりづらいということを除けば、
むしろ、ストーリーはより易しく(というか、安易に)なっている。

ジグソウの人物を掘り下げるほど、
彼は、ただ、私的な怒りにまかせて、
神の真似事をしているようにしか見えなくなっている。
偽善かもしれないが、
犯罪被害者やその家族、遺族たちの苦しみを、
もっともらしく申し立てているだけのように見えるのである。

憤怒は七つの大罪の一つであり、人を愚かにする。
ジグソウほど、頭の良い人物であれば、
本来、私刑の無意味さを理解できるであろう。
レクター博士のように、趣味だというのであれば、わからなくもない。
下手に人間らしく描くよりも、
憎しみにとらわれたモンスターにしてしまった方が、
映画としては面白味が増したのではないか。

アイ・アム・レジェンド

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ウィル・スミスである。
ストーリーは割愛するが、
この映画は、ウィル・スミスが主演でなくてはならない映画だ。
でなければ、誰も見ないだろうから。
演出や効果については、最高と言っていいだろう。
荒廃したNYの街は圧巻である。
さまざまな矛盾点をつくことは簡単なので、ここでは問わないでおく。
ただし、このテの映画であれば『バイオ・ハザード』の方が出来がいい。

『トロピック・サンダー 史上最低の作戦』


ベン・スティラー、ロバート・ダウニーJr.、ジャック・ブラックの三人が
全力全壊フル回転で大馬鹿やってくれるブラックジョーク連発のコメディ。
描写に残酷なシーンがあるのをマイナスにとる人も多いようだが、
『SAW5』を観た後だったせいもあるだろうが、
どこが気持ち悪いのかわからないくらい無問題。
戦争映画を撮影している映画、と言うストーリー上、全く当然である。
あの程度で気持ち悪いと思う方は、
ブコメでも見ていてください。

ベン・スティラーの映画は、全編ずっとくすくす笑いながら見るタイプが多い。
大爆笑を期待してはならない。
また、特にこの映画の場合、
映画好きでないと面白くない。
芸が細かすぎる。
本編の始まりが予告編風な上、
いきなり『プラトーン』のパクリから始まるわけである。
あらゆるところに、パロディが散りばめられている。
また、セリフ各所に登場する俳優や作品名がわからないと、つまらないだろう。
たしかに、ショーン・ペンは『アイ・アムサム』では賞を取れなかったけど、
最近やっとオスカーもらえたみたいだ。

個人的にはベン・スティラーが一人雨の降りしきる密林の中、
ipodで『宇宙大作戦』を観ているシーンがプチヒット。
ロバート・ダウニーJrのなりきり黒人が大ヒットだ。
仕草から話し方まで黒人になりきっていた。
というか、なりきった役を演じていた。
アル・パチーノロバート・デ・ニーロに対する尊敬を含めたパロディであろう。
最後、トム・クルーズにはちょっと驚き。
演技力には常に疑問符がつけられているトムだが、
意外にデキる役者だったりする。

このようなメタ構造の映画は、ハリウッド的でありながら、
笑いが一本では完結しないので、
かなりのマニア受けと見た。
私は大好きだけどね。

スカイ・クロラ

スカイ・クロラ [DVD]

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押井守作品。
ドクターストップがかかっているが、やっぱり見ちゃった。
わざわざポーランドアイルランドまで背景の資料撮影に行ってきた甲斐もあり、
絵は美しく、そして、空虚で、透明感があった。
アニメーションの部分は小さな動きや、影、光、音による表現が押井流でお見事。
ただ、戦闘機のシーンのCGが、他のアニメーションのシーンとの、
ズレ感があるのはいま一つ。
メインキャストにプロの声優ではなく、あえて俳優を使っているようだが、
多分、他の色がついた声を使いたくなかったのであろう。
吉と出るか凶と出るか。
私個人の意見ではあるが、
声だけの演技は、
全身で演技するのとは異なる技量が必要だと思っているので、
特にアニメの場合、プロに任せた方が良いのではないか。

というわけで、菊池凛の声は厳しかった。
谷原章介は結構良かったけど。

ストーリーはまあ、良いんじゃない?って感じで。
原作は森博嗣だが、森博嗣版はこれから読んでみる。
苦手なんだけどね。
森博嗣

検屍官 沈黙する死体』

検屍官 沈黙する死体 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: アルバトロス
  • メディア: DVD


レンタルショップでは気がつかなかったが、ドイツ映画だった。
ホラーの分類にあったが、これはサスペンスだろ。
全く、ホラー要素なし。
ドイツのメディカルサスペンスは地味ながらも、
出来がいいので好みだが、
今回はちょっと外した。
ヒロインの性格が好きになれない。
容姿端麗、頭脳明晰なのは良いとして、
たくさん愛されて育ったんだろう性格、
つまり、善良で素直でたくましい、
図々しいところが好きになれない。
もう一人のヒロインである刑事のひねくれ方の方が共感覚える。
全体的にドイツのメディカルサスペンスでは、『アナトミー』の方が好き。


以上、今日はここまで。
他にももっと見たはずなのだが、
思い出した順に寸評を書いていく予定。


今日の一言。
ヱヴァンゲリヲン・破』の前売り券買いました。
上映に備えて、『ヱヴァンゲリヲン・序』DVD(初回限定版)を見直しました。
でも、近くで上映する予定の映画館がありません。