サマリタン

映画、本、毛糸もろもろ。

DVDレビュー『ホワイトアウト』&『シャッター』, etc.

今日も暑い一日であった。
が、暑いけど、やらなくてはならないことがある。
階段掃除とか、当番とか、地味に大変。

今週は猛暑日続きで、自宅で熱中症になるかと思った。
我が家にはエアコンがないので、ときどき本当に怖くなる。

さて、このところご無沙汰していたので、最近見たDVDの短評をあげたい。

ホワイトアウト

ホワイトアウト [DVD]

ホワイトアウト [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD

暑いしね。
涼しい話を一つ。
南極基地を舞台にしたサスペンスドラマ。
ヒロインはとってもナイスなバディのケイト・ベッキンゼール。
厚着で残念なのはさておき、相変わらずとってもラブリーな女優さんである。

オープニング、旧ソ連の飛行機内のシーンで「何か」を巡ってトラブルが起きるが、
はっきりとはわからない。
この「何か」を巡るお話になるのだなあ、と簡単にわかる。

時代は冷戦真っただ中。
飛行機で運ぶ「何か」が画面には映らないのだが、
とにかくすっごいすっごい大変な「ブツ」らしい。
「もしかして、生物兵器とか、超人パワーを持てるようになる薬とか」
なんて妄想を膨らませていると肩すかしをくらう。

タイトルコールが終わり、時は現代(21世紀ってことだ)。
ケイト登場。連邦捜査官だ。

 

南極は条約によっていろいろ面倒な場所なのだが、
最近は、在留者の人数も増えてちょっとした村くらいの人がいるものだから、トラブルもある。

ってことで、アムンゼン基地は連邦の管轄下なので、仕事は田舎の保安官レベルでも、
一応FBIの捜査官が置かれることになっているわけだ。
南極というところは、普通に定期便なんて飛んでいる場所ではない。
在留者はほとんど希望で来ている者だけだ。
どうやら、このケイトもそのようだ。
何だか、過去にもやもやしたものがあるらしく、俗世間から離れたかった様子だ。
事件と言っても、閉ざされた空間内である。
金を盗む意味はあまりない。
傷害事件も、酔った勢い程度だ。
それ以外だって、ちょっとマリファナ持ち込んでみたり、誰かに取られてみたりと、
まあ、正直、FBI捜査官とか言っても、扱い事件はしょぼいしょぼい。
どっかの田舎の方が、よっぽどすっごい猟奇的事件が起きているに違いない
(間違ったアメリカ観に基づいています)

さて、いきなりケイトのシャワーシーンで、
これが、南極基地の居心地の良さを表しつつもサービスサービスゥってなわけであるが、
良い感じの背中とお尻だったので、細かく問い詰めるのはやめよう。

で、殺人と思われる遺体が雪の中で発見され、
基地は騒然!!
事件が次々とおこ……らないんだな。
これ。

ちょっと、テンポがスロウ過ぎて
逆にステップ踏むのが難しいみたいな感じで、
途中、頭が勝手に一時停止してしまいゲシュタルト崩壊を起こした。
眠くなったともいう。
気がつくと、ケイトは冬が来る前に帰国する予定だったのが
事件のせいで、冬の間ずっと基地に残留しそうな勢いになっていた。

しかも、基地から全員撤退まで決めていた。
気候変動や大気汚染等といった観測は継続して行うことに意味があるのに、
どこかで代わりに観測できるのであろうか。
何のために南極に長期滞在なんてしてんだか。
耐久レースしているってわけでもないのに。
「人が死んでいるのよ!」はそうなんだけど。
他の基地との連携も適当で、ケイトが一人でやっきもっきなんだわさ。

で、あれやこれやてんやわんやするのだが、
飛行機が来て、
国連のなんとかいう輩も首突っ込んできて、
ロシアの基地に行ってみたりして、
あと二人くらい死んで、
犯人らしい奴と雪の中でバッタンバッタンやって、
指が凍傷になって、
暴れた奴を捕まえてみて、
例の「何か」が欲しくって、
殺人が起きたらしくって、
ケイトが「それ」を発見したりするのだが、
開けてみてビックリのカラフルキャンディだったりして、
本当の犯人が別にいるってわかってみて、
じゃあ、これ何だったの、ってことで、
「殺人衝動を引き起こすほどの何か」っつうのが
「ええ?それで殺しって、普通だなあ」みたいな。

で、終わったりする。

はぁ。
見終わった後、軽い失望と一緒に忘却してしまいそうな感じのお話であった。

もっと南極という舞台を上手に使えなかったのか。
これでは、どこか南米の密林の奥地でも同じお話が作れてしまうのではないか。
もっと、寒さや冬の恐ろしさを描いても良いのでは、
とモッタイナイの溢れる、
ケイト・ベッキンゼールがかわいいだけの、普通のサスペンス。

一番残念だったのは、
……モンスターもシリアルキラー生物兵器もなかった……ということ。

★2つってところかな。

本編でも若干ふれていたが、
南極では風邪はひかない。

詳しくは宮島茂樹『不肖・宮嶋南極観測隊ニ同行ス』(新潮文庫)の併読をお勧め。
南極の昭和基地の様子がちょっとわかった気になれる。

不肖・宮嶋南極観測隊ニ同行ス (新潮文庫)

不肖・宮嶋南極観測隊ニ同行ス (新潮文庫)

  • 作者: 宮嶋 茂樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2001/07
  • メディア: 文庫


『シャッター』

 


辛かった。
本当に辛い映画だった。
きちんと最後まで見ることが出来るのだろうか、
エンディングまで私の意識が混濁しないとも限らない。
そういう意味で、辛かった。

って、『ホワイトアウト』と同じですね。

まず、主人公の男を見た瞬間に

「ピーター!」

FRINGE / フリンジ 〈ファースト・シーズン〉コレクターズ・ボックス1 [DVD]

FRINGE / フリンジ 〈ファースト・シーズン〉コレクターズ・ボックス1 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD

コレの人!

J.J.エイブラムズのドラマ『フリンジ』の主人公の一人ね。
今『フリンジ』のシーズンⅠを見終わったところだったので、
もう、こいつがピーターにしか見えないんだよ。
私の個人的趣味としては、彼は好みのタイプではなくて、
『フリンジ』に出ているから見ている以上の俳優ではない。
今のところ。
将来的に好きになるかもしれないけど。

で、映画で彼を見ることになるとは。
奥菜恵しか眼中になかった。

この映画の問題点は三つ。

一、妙な日本人たち

ハリウッド映画ではありがちとはいえ、
ホラーというジャンルは、ありそうな雰囲気作りがとても大切なのだ。
久しぶりに会った元彼とハグのシーンはドン引きであった。

いやいや、やっぱ、それはないから~~。
どこまで欧米化してもアメリカナイズされても、
日本にいるときには、海外の長期在留経験があっても、
帰国子女といわれようとも、
ハグする人は少数派だろうよ。
いないとは言い切れないけど。

二、登場人物が多すぎる

単純な怪談話のくせに、やたらに人が出てくる。
友人だとか、元彼だとか、通訳だとか、霊能者だとか。
そして全員バラバラに配置されているだけで、
まったく絡んでこない。
これがストーリーを拡散させてしまう原因ではないかと思う。
霊能者なんて、出てくるだけだ。
夫の過去を見通してみたり、本当に能力のある霊能者みたいではあるが、
夫をビビらせるだけで、
妻にが、夫に対して疑念を持つにはあまり効果が見られない。
夫の友人ももっと妻に対して、彼の過去をほのめかすくらいしてほしい。
何のために出てきたんだよ、お前ら。

三、怖くない

致命的である。
何故に怖くないのか。

主人公カップルの生活感のなさと反応の鈍さが原因かと思われる。

Jホラーの定番でもある
見せないことで恐怖を感じさせる、という手法が生きてこない。

ビビってる感じが足りないのだ。

異国の地で、新婚夫婦二人っきり。
夫はカメラマンでアーティストらしい。
日本語も出来るし、日本人の友達もいるみたいだ。

一方、妻はどうやら現在仕事をしていない様子。
日本語も日本の習慣もあまり馴染みがなく、
頼れる友達も多くはなさそうだ。

そこに来て、原因不明の事故、友人の死ときたら、
優雅に観光気分でもなくなって、
もっと不安になって、故郷に帰りたいと言い出したり、
自宅に引きこもったりするのではないか。
日本で自由にふるまえる夫に対する嫉妬があってもよかったのではないか。

恐怖は不安からやってくるものだ。
孤独にあるときの不安は常に心身ともに緊張した状態に置かれている。
長期化すれば、それは猜疑心や妄想へ発展しがちだ。
だからこそ、
妻の孤独と不安、夫への不信をもっと描いてほしかった。

また、夫の愚鈍さが恐ろしさを軽減させてしまっていたと思う。
妻が自分に対して不信感を持っていることに対して無反応であること、
肩や首の痛みに対して医師にかかっているが、
その後、特に気にしている様子がないこと。
友人の死に対して、怖れを持っている様子がないこと。

よくわからないけど、事故の後、肩がこるわけである。
「何か憑いてるのでは?」という前振りなわけである。
本人が、まったく気にしていないのでは、
まったくもって祟り甲斐のない男である。
ガラスに映った奥菜恵 on 肩車に発狂するような神経とも思えない。

これも★二つってところで、どうでしょ。

実際この3倍は見ているのだが全部ここにあげるのは厳しいので、とりあえず、最近の分。

今週のレンタルリストは以下の通り。

乙女の祈り

乙女の祈り [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
  • メディア: DVD


ピーター・ジャクソン監督のちょっと怖いお話。
若き日のケイト・ウィンスレットがピチピチの
ムッチリボディをさらけ出してくれる。

舞台が1950年代と言うこともあるが、ケイトにお似合いのステキな水着姿。

10082102『乙女の祈り』のケイト.JPG


オスカーをとっても、この映画に出たことを黒歴史にせず、
いつまでのPJに敬意を払うケイトは偉いなあ。
私、このムッチリした感じは結構良いと思うけどな。
眉毛とか、目元とか、ぷっくりしたほっぺたとか、上品で意地悪な小娘って感じが良い。

10082101『乙女の祈り』のケイト.JPG

思春期の女子のココロの不安定さとおっかなさを描く映画。
実際に起こった事件が題材だったりして、
タイトルに「乙女」とか「祈り」とかあっても、
楽しく、カワイイお話とは限らない。
よく気をつけて借りましょう。

悪魔の棲む家

悪魔の棲む家 [DVD]

悪魔の棲む家 [DVD]

 

まだ見ていないので、何とも言えないが、
とりあえず、ホラーの棚を「あ」から順に、
見ていないものを借りることにした。
『悪魔の棲む森』っつうのもある。

『キリングシャドー』

なんと、アマゾン様にはない。そんなにレアなのか。

確かに知名度は低いが、イギリス本国ではメジャーなタイトル。
『ワイヤー・イン・ザ・ブラッド』シリーズの一つである。

アメリカ映画ばっかり見ていると、
トニー・ヒル教授のキングスイングリッシュがいちいち気になる。
私は、ヴァル・マクダーミドの原作の方が好みだけど、
ドラマも面白いのえで、レンタル屋さんにも揃えて欲しいシリーズである。

『ミラーズ』


アジャである。
アレクサンドル・アジャ
これから見る予定なので、内容はともかく、
キーファー映画界復帰作でもある。
…そのまま最後になっちゃったりして。
かつてジョニー・デップもイロイロやっちまったけど、
キーファーは尻つぼみ感が否めない。
『24』も終わったみたいだし。
お父さんのドナルド・サザーランドは、まだまだ現役感たっぷりなのにねえ。

それにしても、『フラット・ライナーズ』とか『スタンド・バイ・ミー』から
ずいぶんと時が経ったものである。

『異常犯罪捜査官 惨劇の館』

異常犯罪捜査官 惨劇の館 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: パンド
  • メディア: DVD
 
さっき見終わったばかりで、予想通りのオチで、拍子抜けっつうか腰抜けるっつうか。

タイトル通りのお話なのだが、原題は『Essence of Echoes』と言うのだが、全く邦題と無関係。。
ちょっと『Xファイル』みたいな、『フリンジ』みたいな?
主演の女優さんは知的な美人で、演技も上手なのだが、
おそらくそのロマンスの相手でもある男優が
若干古いタイプの二枚目で、
昔のマイケル・ビーンをダサ目にしたみたいな人だった。

カメラワークや脚本は悪くないと思う。
でも、何故、こんな編集が荒いのか。
撮影したまま完成ってことにしちゃったんだろうか。
時間が足りなかったとか。

IMDBではなんと2.9ポイントと言う評価の低さである。 
リンクを貼っておいたので、興味のある方はどうぞ。
英語ですが、出演している俳優さんの顔を拝めます。
低評価は当然かと思うが、中途半端にもったいない出来であった。


今日の一本。
話題沸騰中(?)の『インセプション』。
ディカプリオの妻役、モルこと、マリオン・コティヤールが怖いとの評判である。

が、
マリオン・コティヤールに、
怖い女の役が多いのは今に始まったことではない。

 

フランス製のサスペンスだからなのか、

ブノワ・マジメルの『デッドリンガー』にもストーリーが似ている。

デッドリンガー [DVD]

デッドリンガー [DVD]

  • 出版社/メーカー: エスピーオー
  • メディア: DVD

 

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