「コン・ティキ」(2013)
コンティキ号の冒険を映画化した作品。
海をさまよう映画だと、近年では「ライフ・オブ・パイ」(2012)が有名か。
「ライフ・オブ・パイ」は映像美が注目の作品だが、
こちらは、ノルウェーの人類学者トール・ヘイエルダールによる冒険譚を映像化した作品である。
「ポリネシアの人々の起源は1500年前に南米ペルーから筏で渡ってきた人々である」
という自説を裏付けるための冒険であり、
幻想的なシーンの多い「ライフ・オブ・パイ」と比べるべきではないと思う。
そもそも自主的に海に出ており、準備は万端だ。
途中、嵐やサメとの遭遇で冷や汗をかくが、
結末がわかっているせいか、のんびりしたムードがある。
ただ、主人公トール自身は航海によって妻と子と別れることになった。
19世紀から20世紀前半は、
科学的にも大きな飛躍を遂げた時代であり、
様々な分野で定説が覆されてきた。
ダーウィンの「進化論」、ヘディンの「さまよえる湖」、
ウェゲナーの「大陸移動説」等、
現地調査が重要な役割を果たしている。
コンティキ号で有名なトール・ヘイエルダールもその一人だ。
現代であってもヘイエルダールの説には疑問も多く
ポリネシア人の起源については、まだまだ決着はついていないようであるが
彼の航海はとても重要であったことに変わりは無い。
原作となる「コンティキ号の冒険」は未読なのだが、
こうした冒険譚は大好きだ。
子どもの頃はインディ・ジョーンズになりたかったし、
大学では地理学を専攻して、巡険にもよく行った。
現地調査は楽しい。ホント。
行く前と帰ってからも同じくらい楽しいと良いのだけどね。