サマリタン

映画、本、毛糸もろもろ。

「スノーピアサー」(2013)

Sunôpiasâ (2013) on IMDb

 

★7つ(IMDb平均と同じ)

あらすじを聞いて、B級くさい予感がして大丈夫なのか心配になったけれど、

クリス・エヴァンスジェイミー・ベルティルダ・スウィントン

ソン・ガンホエド・ハリスと豪華な顔ぶれだし、

何しろ監督はポン・ジュノだし面白いだろうと信じて、

準新作がキャンペーンで108円のときにレンタル。

 

結論から言うと思ったよりずっと良かった。

ホント、荒唐無稽なのにちゃんと面白い。

 

疑似氷河期の地球で、走り続ける列車の中だけが

生き残れる唯一の場所という設定自体は、

SFとしては詰めが甘いように思うが、

もともとがフランスのバンデシネ作品らしく、

どちらかというとファンタジー要素が強く、寓話的な物語であった。

 

最近だと「コロニー5」も地球が凍りついてしまい

人類の数が激減してしまった話だったな。

 (こっちはもっと微妙な感じでもったいない映画だった。)

 

 うまくまとまらないので、箇条書き。

 

  • トンネル通過のシーンは良かったね。

  飛び蹴りは欠かせません。 

 

  • 先頭車両の人々の生活のシーンは何だか奇妙なものに思えた。

   服を仕立てたり、パーマをあてたり、サウナに入ったりと、

  思い思いにくつろいでいるが、

  不公平だとか、ずるいとかいうより、もはや滑稽に見えた。

  この列車の中で着飾る意味なんてどこにもないのではないか。

  本当は内も外もない狭い箱庭でごっこ遊びにふけっているようだ。

 

  • 最下層の人々を均衡の調整弁として利用するには、予測が難しく、不安定な要素が多過ぎるのではないかと思った。

 

  • 例のプロテインバー、プルプルしているようだけど、べたつかないのかな。

 

  萩尾望都「レッド」みたいに、 列車内で生まれた子どもには、

  超能力があるという設定もまた面白そうだったな。

 

  • 子どもがエンジン保守に利用されているところは一部予想通りだった。

  身長測っていたしね。

   銀河鉄道999だったらネジにされているところだったな。

 

  •  ヨナとティミーのその後を考えるのも楽しい。

  最後、大きく脱線し、スノーピアサーの世界は終わる。 

  旧世界の残滓である列車が大破した後に残るのは、

  新世界を担うヨナとティミーだけだ。

  白クマは希望の象徴であろう。

  寒波が弱まりつつある、という希望を予感させつつ物語は終わる。

  新世界に残された二人がアジア系と黒人系というのも

  所謂ハリウッド映画ではない終わり方で新鮮だったし、

  その先を見てみたいような気になった。

  まあ、2を作るのは蛇足だと思うけれど。 

 

  これは私個人の好みの話。

  特に「リトルダンサー」と「第九軍団の鷲」は好きです。

  物語では18歳だけど、実際は1986年生まれで現在28歳(2014年)。

  最近では、主人公の脇を固める役が多いかな。

 

  • この列車には乗りたくない。

 

 

また、思い出したように見たくなると思う。