CSIとLAW&ORDER
連日走ると唐突に眠くなる。
昨日は「LAW&ORDER」を見ていたら、
途中で意識がふわふわして、
いつの間にか裁判が始まっていた。
45分の刑事ドラマだと、犯人逮捕で終わるものが多いが、
「LAW&ORDER」は検察側のドラマもあり、
きちんと見ていないと、意味が分からなくなることも多いのだ。
(但し、「クリミナル・インテント」は裁判部分はない)
比較的難しい単語も出てくるので、
字幕もきちんと読まないとわからないことも多い。
45分ドラマは密度が濃いので
うとうとしながら見るべきではない。
ところで、CSIシリーズもそうなのだが、
一話完結ドラマだと、物的証拠にしても目撃証言等の手掛かりから
犯人や隠れていた事実が分かってくる過程が見どころのはずが、
時折、その展開が強引なことがある。
「CSI:科学捜査班」のシリーズでは、
防犯カメラの映像や、写真を拡大して補正するシーンがよく出てくるが、
いくら補正しても、そこまでハッキリわかったりしないだろう、
ということもままあるし、
DNA鑑定も「そんなにたくさんの件数を早く出来るのかなあ」とか、
「その事実があったとして、そこまで言えるのかなー」と思うようなこともある。
話を面白くしようとして科学捜査万能過ぎになってしまっているようだ。
2000年から14年以上続く人気テレビドラマであるCSIシリーズは、
これまで犯罪捜査で裏方扱いであった鑑識班の地位向上には与しているし、
犯罪の物的証拠を科学的に検証する意味を
広く一般に知らしめており、良い影響もある。
もちろん、エンターテイメントとしても面白い。
が、前述したような科学捜査万能主義に加えて、
やけに鑑識が、刑事の真似事ばかりしているように見えるし、
(現場検証や証拠採取だけでなく、
主体的に取り調べを行っているようなシーンが多い)
また、物的証拠は重要だが絶対視してしまうのも危険だ。
これだけヒットしているテレビドラマである。
実際に刑事や鑑識、監察として働く人が困ることもあるのではないかと思う。
そういえば、「クリミナル・マインド」でも、
ラスベガスの事件のエピソードでは、
「鑑識は刑事ごっこばっかりしてるから~」
なんてセリフがあって、明らかにCSIを揶揄していた。
一方、LAW&ORDERは検察の方もドラマになるので、
捜査手続きにミスがあったり、強引な手段に出た場合、
後半の裁判のシーンで、大きな問題になる。
日本より裁判については判決までが早く、
共犯者がいたり、組織犯罪だったりすると司法取引もあり得る。
CSIシリーズだと、裁判まで描かれるケースは少なく、
後日談であったり、セリフで説明される程度で終わることがほとんどだ。
また、市だけでなく、州政府や連邦政府といった、
管轄による違いも出てきたりして、
しがらみや縄張りが絡んでくることもある。
これはどの刑事ドラマでもよく出てくる話で、
市警察だけでなく州警察もあるし、連邦保安局というのもある。
事件や関係者によってはFBIやCIA、国防省だって絡んでくるし、
2001年以降だと、NSAも出てきたりする。
そうなると法廷で裁くことも出来なかったりして、
何だか話が大きくなったりする。
大体、市警察が舞台のドラマだと、FBIやCIAは
感じの悪い人物に描かれることが多い。
CSIだと特に、メインキャストと対立する人物として描かれがちだ。
LAW&ORDERは、あまり法執行機関の人物像には深く立ち入らない。
LAW&ORDERでは、メインキャストの個人的事情はあまり描かれない。
警察側の人物が、発砲した結果市民が死傷したり、
事件関係者と個人的に関わってしまい、
監査や処分を受けるような流れになったりもするが、
基本的に、真面目で善人であり、感情に流されることも少ないので、
ドラマを見ている側としては、安心して見ていられる。
CSIだと、ちょいちょい個人的信条と事件が絡んで面倒なことになったり、
家庭の事情や恋愛感情もあったりして、
メインキャストの内面が描かれることもあるので、
過去にヒットした「ER」と同様に、
メインキャストが入れ替わり立ち替わりするのも見どころだったりする。
どちらも面白いドラマではあるが、
日本で言うところの「水戸黄門」に通じる安定感があって、
どんなに悲惨な事件の話であっても、
あまりハラハラしないで見ていられるのが
ロングランの理由なのではないかと思う。
「クリミナル・インテント」の日本版DVD化はいつになるんだろう。
何か権利関係でもめているとかあるのだろうか?
なお主演のゴーレン刑事は、
↑の「微笑みデブ」ことヴィンセント・ドノフリオ。