映画の裏ストーリー(バラいろダンディ 2014年11月14日(金))
実は、「バラいろダンディ」(TOKYOMX金曜夜9時~)を毎週チェックしている。
バラいろダンディは、バラエティ番組で生放送。
月曜日から金曜日まで毎日同じ時間に放映しているが、
私が見ているのは、「バラいろTHE MOVIE」のコーナーがある金曜日だけだ。
ローカル局なので、見られない地域も多い。
実は、スカイツリーのデジタル放送が始まる前は、
TOKYOMXは、神奈川の一部でしか見られなかった。
最近、GYAOで一週間無料配信を始めたらしい。
金曜日の映画コーナーは、映画ライターの高橋ヨシキさんが出ており、
ほか、水道橋博士や、ダイアナさんらのトークは面白い。
(島田洋七が出ている理由は謎)
というわけで、
覚書も兼ねてここで「バラいろTHE MOVIE」で紹介された映画を上げておく。
11月14日(金) 名作に隠された「映画の裏ストーリー」特集
裏ストーリーやサブプロット、映画製作の裏話等など、何でもアリなテーマ。
表の物語は、流れを引っ張るエピソードの構成であり、
よく「あらすじ」に書いてあるお話はここの部分。
一方、裏の物語として、登場人物たちの思考や関係性の描写であり、
物語の深みをもたらし、観客の感情に訴える部分。
概ね「物語」にはこういう仕掛けがあるものだが、
映画の場合、映像や音楽、構成全体で仄めかすだけの場合もあり、
これが正解、という見方があるわけでもないので、
知らなくても良いことばかりでもある。
- ゴッドファーザーシリーズ(1972年、1974年、1990年)
ほとんどの登場人物には、実在の人物のモデルがいる。
表:20世紀アメリカのイタリア系マフィアの抗争の歴史
裏:出自、血筋にこだわるイタリア系大家族の絆を巡る物語
コッポラ監督がイタリア系であることのこだわりでもある。
(高橋ヨシキ)
主演アル・パチーノ他、マーロン・ブランド、ジェームス・カーン、
ロバート・デュバル、ジョン・カザール、ロバート・デ・ニーロ、
主題曲が有名な、とある家族の愛と憎しみの物語。
マフィアのドンパチものだから、という理由で見ないのはもったいないと思う。
3作とも良い出来で、パート2の出来が良い続編映画は珍しい。
(比べると3はちょっと落ちる感じはする)
パート1で結婚式の撮影に使われた家が売りに出されているそうである。
CNN.co.jp : 映画「ゴッドファーザー」のボス邸宅、売りに 3億円超
- スターウォーズ(1977年~)
フラッシュゴードンと、アメリカン・グラフティの組み合わせ
「スペースオペラ」×「青春ドラマ」というわけだ。
父と息子の物語でもある。
(高橋ヨシキ)
見ればわかることだが、当時、どのような映画がヒットしていたとか、
監督や製作関係者が、どういう立場にあったかという背景は、
時間が経過するほどに失われていく情報である。
2014年の今、スターウォーズという映画は
ミッキーマウスやハローキティと同列にある「キャラクター」の一つになった。
- シャイニング(1980年)
表:主人公が幽霊によって狂気に囚われていく物語
裏:主人公のアルコール依存症と、子どもへの虐待を巡る物語
(高橋ヨシキ)
膨大な引用と解釈が可能なキューブリック作品は、
何度見ても面白い映画として、ファンも多い。
衣装やインテリアも凝っていてお洒落で、
ファンメイドのグッズもあるみたい。
ゲイの物語という解釈が出来るのではないか(高橋ヨシキ談)
変わりもののベルと、城にこもって正体不明である野獣の出会いの物語。
(高橋ヨシキ)
ジャン・コクトー版は未見。
本年、レア・セドゥが美女を演じる「美女と野獣」が公開される。
ディズニーアニメは、見たはずが、あまり覚えていない。
- 猿の惑星(1968年)
表:SFとしての人類の衰退と猿の進化、地球の支配者を巡る対立
裏:白人と有色人種の支配と対立
「戦場にかける橋」ではアジア人に支配される白人を描き、
「猿の惑星」では、舞台を未来に置き換えて、
猿(有色人種の隠喩)に支配される白人を描いたもの。
(水道橋博士)
猿はユダヤ人の暗喩でもある。
「猿の惑星」1作目は優れたSFだと思うが、続編以降は未見。
ジェームズ・フランコの方は見たけれど、
なんかこう、細かいあらすじ(矛盾)みたいなお話だった。
私にとってチャールトン・ヘストンは、いつも服を着ていない人だ。
- 愛とセックスとセレブリティ(2009年)
当時、実生活でデミ・ムーアと恋人だったアシュトン・カッチャーが、
映画でも、年の離れた女性と付き合う若いジゴロの役を演じている。
私生活と作中の関係を敢えて重ねて見せている
同様にウッディ・アレンは、実際の恋人を映画の主人公に起用した
現実の方が映画を超越したような結果となっている。
(湯山玲子)
ウッディ・アレンは映画人としてはとても才能豊かな人なのだが、
パートナーの遍歴を見ると、ミューズをそのまま恋人にしてしまう、
仕事と私生活を分けられないタイプで、情は薄いような気がする。
- ダークナイト(2008年)
ジョーカーを演じているヒース・レジャーは、
過去に同じジョーカーを演じたジャック・ニコルソンから、
「この役は気をつけろ」という助言を受けており、
映画公開前に、薬物中毒で逝去した。
ジョーカーは物語全体の二面性を象徴している。
(湯山玲子)
この話は今更感はあるが、「ダークナイト」は本当に語りたがる人が多い気がする。
個人的には好きでも嫌いでもない。
ヒース・レジャーの死は悲劇ではあるが、
薬物中毒では起こるべくして起きた死ではないかと思う。
- エクスペンダブルズシリーズ(2010年、2012年、2014年)
俳優以外に、3作とも格闘家が出演しているが、
全部に出ているランディ・クトゥーアは、
過去に軍歴があり、武器の扱いに関するアドバイザーでもある。
シリーズ3作とも出演を果たしている。
- ロッキー(1976年)
スタローン主演ということで、ロッキーを紹介。
ラストで判定負けをしているが、
同時期にスタローンがテレビで視聴した、
モハメド・アリとチャック・ウェプナーとの試合を元にしていると言われている。
当時無敵のチャンピョンであったアリに対して、
負けが決まった噛ませ犬と言われたウェプナーは、
最終ラウンドまで戦い抜き、判定負けをしている。
(水道橋博士)
全部で5作あるロッキーシリーズ、全て未見。
なんとも言えないが、「エイドリアーーン」は知っている。
- ティファニーで朝食を(1961年)
主演のホリー役は、もともとマリリン・モンローにオファーがあったが、
製作陣からモンローは好ましくないという声があり、
結局、オードリー・ヘップバーンが主演になったと言われている。
主人公は玉の輿を狙う娼婦なのだが、オードリーが演じることで、
上品な雰囲気の物語に仕上がっていると言えるだろう。
(湯山玲子)
オードリーは雰囲気やイメージを大切にしており、
自分のイメージに合わないと判断すれば、
どんな有名監督であっても、オファーを断っていたという。
その成果はあったと言えるだろう。
亡くなって20年経ち、オードリーは永遠の妖精になった。
私はオードリーも、オードリーの映画も大好きだ。
子どもでも楽しめる。
オードリーの映画をきっかけに、
古い白黒でも、面白い映画はたくさんあることを知った。
- ブリジット・バルドー(女優)
映画そのものよりも、ファッションアイコンとして、
今もなお支持されている。
オードリー・ヘップバーンよりも、強い影響力を持つのではないか。
(湯山玲子)
オードリーもファッションアイコンだが、
BBこと、ブリジット・バルドーの方が現役感が強い。
真似したい気にさせるが、腰の細いバルドーだからこそのコーディネートは、
真似するとやけどするので要注意。
ほのめかした裏ストーリー
映画の中で、この後に起こる出来事を仄めかすシーンがある。
以下、各映画で、冒頭から序盤のシーンが、後の展開を示唆している個所。
- シャイニング(1980年)
ホテルの廊下に置いてある黒いテディベアが
赤いジャンパーを着ているシーンと、
黒人のハロランが同じ場所で斧で殺されるシーン。
- レザボア・ドッグス(1992年)
登場人物が色の名前となっており、一人裏切り者がいる。
パステルカラーのボトルが並んだシーンでは、
裏切り者の名前と同じ色のボトルが、
他のボトルから離れて置かれている。
- 遊星からの物体X(1982年)
冒頭にわからない言葉で警告をする男は、
ノルウェー語で「この犬は化物だ」と言っている。
- プライベート・ライアン(1998年)
ノルマンディ上陸の場面で、
ドイツ語で降参する兵士を殺すシーンがあるが、
彼はドイツ人ではなく、
チェコ語で「私はドイツ兵ではない。殺さないでくれ」と言っている。
やっぱりひどい話だ。
感想
番組内でも言われていたが、見ればわかることも多い。
こうした一覧を作るのは結構時間がかかる。
発言内容の確認や、映画の公開年など、一応調べるので、
なんだかんだで三日もかかってしまった。
そうこうしているうちに、スティーブン・キング氏が、
またもやキューブリックの「シャイニング」について発言があったようである。
ただ、キングがどう思おうと、この映画にはファンがいるんだよねえ。
スティーブン・キング、キューブリック版「シャイニング」をまたしても批判 : 映画ニュース - 映画.com
キングの小説の映像化は微妙なものも多いしねえ。