DVDレビュー『ファニー・ゲーム』
本日は、関東、春らしい曖昧な天気である。
予想通りと言えば、予想通りで、温い雨がしとしと降っている。
それを見越して、ワタクシ、週末のうちに、イロイロ済ませておいたのだ。
布団を干してみたり、キッチンマットや座椅子のカバー等々、大物を洗濯し、
風呂の掃除を念入りにして、脚立を使って、高いところまで水垢とカビを落とし、
冷蔵庫と冷凍庫を掃除してみたりと、すっきりさっぱり。
そして、洗濯物が乾くのを待ちながら、
のんびり、TSUTAYAで借りたゴアなDVDを見て、
大忙しながらも優雅な、
そして後々変なところが痛くなるような休日でありました。
浴室の天井磨きのおかげで二日遅れで肩の辺りが妙に凝っている。
改めて天井に絵を描いたミケランジェロを尊敬する。
って、多分、天井じゃなくてもすごいのだが、
仰向けの姿勢で雑巾かけるというのは、すごく疲れるのだ。
ましてや絵筆など持ったところで何が描けると言うのか。
カビを取るだけで精一杯。
さて、前置きがえらく長くなった。
そろそろ本題入ります。
本日のお題は『ファニー・ゲーム』
- 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
- メディア: DVD
タイトルだけなら知っている人も多いだろう。
同じ監督のアメリカ版リメイクもあるし。
一本100円と言うサービスデーということもあり、
見つけたとき嬉しくなっちゃって、ぱあ、と手にとってしまった。
後味悪いことを知りながら、借りた。
というか、この日借りたタイトルは、全部そういうものばっかりだったので、
もう今更というか、勢いで。
本来は、『時計仕掛けのオレンジ』くらいに、見る前の心の状態が重要で、
「今日、これ以上最悪なことはないぜ」
と言う心持ちが必要である。
見終わった後、「最悪のことを一気に済ませた」という
よくわからない達成感が得られるだけで、あとはやっぱり、いやーな気分になる。
これは決まっていることなので、なんとなくでは見てはならない。
この映画を見て、良い気分になっちゃったりしたら、
その人は少し自分を見つめなおした方が良いと思われる。
ちなみに、タイトルのfunnyは、yahoo!辞書によれば、
「[形動]おかしな。こっけいな。奇妙な。一風変わった。」
と言
う意味になる。
タイトルの通り、滑稽と言うか、奇妙な映画であった。
ストーリーについては、知っている人には説明不要。
知らない人に説明しても意味はない。
そんな映画。
大雑把な説明はアマゾン先生によれば、
賛否両論を巻き起こした問題作・・・
【ストーリー】
穏やかなある夏の午 後。バカンスを過ごしに湖のほとりの別荘へ向かうショーバー一家。
主のゲオルグ、妻のアナ、そして息子のショルシと愛犬のロルフィー。
別 荘に着き、台所で夕食の支度をするアナの元に、見知らぬ青年が訪れる。
ペーターと名乗るその青年は、卵を分けてくれないかと申し出る。
た わいもない会話の後、突然ペーターはアナに好戦的な態度をとり始めた。
そこへもうひとりの青年パウルが現れ、さらにアナを挑発。
ゲオルグ が仲裁に入るがパウルは逆にゴルフクラブでゲオルグの膝を打ち砕いた。
この時から、一家は青年ふたりの操る《ファニーゲーム》の不運な参加者と なったのだった…。
以上。
流血シーンや暴力シーンはあるはあるが、執拗さや過剰さのようなものはない。
むしろ、あっさり。
だが、当然油断禁物。
表面はサクっと、あっさり、塩風味、かと思いきや、
後からじわーっと濃厚な味噌と納豆とニンニクを混ぜたくらいの後味である。
ショッキングと表現されることが多いが、
不愉快、
と言う方がより正しい。
何よりも、闖入者の、白い手袋と小学生のような短パンがむかつく。
こいつら自身がfunnyなのだ。
観客にウィンクするし、巻き戻しするし、お腹すいたからって最後適当だし。
もうサイコ野郎なんだから。
そして、それを見ている我々もその一味。
だと暗示しながら幕引き。
この辺りにメタ構造の映画作りが云々…と続くのだが、とりあえず、一つだけココロに決めた。
卵をもらいに来たヤツは家に上げるな。
我が家の家訓にしたい。
ミヒャエル・ハネケ監督は問題提起はしても、答えを用意はしていない様子。
見終わった後、「あ~!?」と声を出すこと間違いなし。
是非、自分の目で確かめてから、他の人の感想を改めて読んでみると良い。
これもハネケ監督。やっぱり(゚Д゚ )ハァ?な一本であった。