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サマリタン

映画、本、毛糸もろもろ。

『サンシャイン2057』

お久しぶりです。
あまりに評判のよろしくない映画を観たのですが、
個人的にはそれほど悪くなかったので、擁護含めて短めながら久しぶりの記事です。



あらすじは、いつもどおりallcinemaより。


50年後の未来。地球上の全ての生命の源である太陽の活動が終焉を迎えようとしていた。
人類に残された最後の望みは、太陽を再生させるための核爆弾を積んだ宇宙船“イカロス2号”。
そこには船長のカネダ(真田広之)をはじめ、男女8人のエキスパートが乗り込み、
命がけのミッションに挑もうとしていた。
太陽からの強大な熱を巨大なシールドで回避しながら
慎重に太陽へと接近していくイカロス2号。
やがて一行は、7年前に同じミッションに向かったまま
消息を絶ったイカロス1号の救難信号を受信するが…。


 

キリアン・マーフィローズ・バーン+真田広之出演のダニー・ボイルのSFです。
『28日後・・・』ではキリアン・マーフィーと、
28週後・・・』ではローズ・バーンと一緒に映画作ってますね。
キリアン・マーフィは線が細くて、女性的な雰囲気のある男性なので、
結構SFの作風とも相性がいいのでしょう。
『サイコ・リバース』なるミステリーでは、女装姿も披露してます。
これまた結構な美人(゚д゚)!
彼はちと浮世離れした感じがします。
ローズ・バーンは、見た目は優しげだけど、実はきつい性格な感じの役が似合います。
『ダメージ』のエレン・パーソンズなんてそんな感じ。

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パティ役のグレン・クローズと、
白眼がないところが似ています。

 

 SF作品の多くは、登場人物を、男女比率や人種比率を多様性を出そうとしますが、
本作では、主要人物8人のうち女性2人、アジア系2人、
キリアンとローズは、白人系とはっきりわかるくらいで、
あとはハッキリとした人種特徴はありませんでしたが(個人的にです)
タイトルの通り、50年後だったらこんなくらいなのでしょうか。
そういえば、黒人がいないのは珍しいかもしれません。


本作では、真田広之は巨大な宇宙船のキャプテンの役と
結構おいしいポジションですが
(中盤に死んでしまいますが)
主人公のキリアン・マーフィと対処的に、
髭面で意志の強そうな大人の男性で、
心のうちを見せない堅い印象です。
キャプテンだけあって、
他のクルーより権限を持っていますが、
指示を出したり、意見を調整するときも、
それほど強硬な態度は見せません。
しかしきっぱりとしています。
良いリーダーだと思います。

それぞれがそれぞれの任務を全うしつつ、
きちんとリーダーに報告している当たり、
宇宙空間では、こうしたプロフェッショナル気質が
とても重要で意味があると感じました。


さて、これだけ実績があると、期待も高いのでしょう。
その分、見た後の評判が悪いのも納得できます。

何が評判悪いって、演出でしょうね。
サブリミナル風にカットが入ったり、
ミッションを妨害してくる人物をハッキリと映し出さなかったりして、
ストーリーや脚本をきちんと組むよりも、
安易に映像によって謎めかして、ぼかしている感じがします。

そういう意味深演出はリドリー・スコットに任せておきましょう。

私は、この映画は抒情的な映画だと思いました。
最近のSFだと『カーゴ』(スイス製のSF)や
『パンドラム』に近いシチュエーションです。
どちらも微妙にB級ですが、
人類の未来を託された少人数が乗る宇宙船と言う
密閉空間でのミステリーと言う点では同じです。
落とし所は違いますが、どんでん返しの終わり方も同じです。
大ヒット映画『アルマゲドン』も同じですね。

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しかし、本作の搭乗員の8人は、
人類の未来を背負っているという
使命感をあまり感じさせない
クールさがありました。
あくまで各々の分野の専門家として判断し、
何を最優先にするかよくよくわかっているのです。

だから多数決はとらない。
全員を助けられない時に、誰を最優先に助けるべきか
いちいち喧嘩しないのです。

この場合、最後に必要となる人間を必ず生かすために、
物理学者であるキリアンを最優先させるのです。

実際に命をかけたミッションにつくと、
訓練を受けていない普通の人でも、
意外と危険を顧みないそうですが、
本当に後々必要となる人間が、
あまり英雄的でも困りものです。

この映画では、とてもそのあたりがすっきりしていました。
お互いに責任のなすりつけ合いを(ほとんど)しないところに好感が持てました。

また、この映画の場合
「誰もその一部始終を知らないまま」です。
クルーは軍人ではありません。
誰かと戦うミッションではないのです。
常に謙虚な姿勢を持っていると言う印象を受けました。
宇宙船の名前を、
太陽に近づき過ぎて、落ちた「イカロス」にしたのも、
謙虚さの表れでしょう。
ハリウッドだったら「アポロン」だったと思います(笑)


以下余談です。

途中、トラブルで生身のまま
宇宙空間に投げ出されるシーンがありますが、
数十秒なら大丈夫だと聞いたことがあるので、
私個人の感想としては、
なるほど大丈夫なのではないか、と思いました。

宇宙空間に投げ出された場合、
人間の体が気圧の差で内部から膨れるという説がありますが、
それはフィクションのはずです。

今のところ、実際、そうやって死んだ人はいませんが、
凍りつくかはともかく、
宇宙空間に投げ出された瞬間に膨張したりはしないはずです。

太陽の光が当たらない空間に投げ出されれば、
空気の有無以前に、マイナス200度の空間で
凍え死ぬほうが先だと思います。
 
特に本作では、
太陽の光の恩恵と恐怖を
「灼熱の光」と「凍える闇」で対比させているわけです。


冒頭、光を浴びて、自分が光に溶け込まれるような感覚に陥るシーンがあります。
真っ暗闇で水中に浮かんでいると、
自分自身の体と闇は全く別物だと感じるが、
強い光を浴びると、自分と光が一つになるようだ、というセリフがあります。

それだけ、太陽によって私たちは生かされ癒され脅かされているということでしょう。
何しろ原題は『SUNSHINE』(太陽光)ですからね。

SFが描くものは未来ではなく、現在の延長であり、現在そのものです。
太陽が死滅する可能性はわかりませんが、
地球が近いうちに限界に達する可能性は否定できません。


大切なのは、やはり謙虚さなのでしょうね。
★3つでどうでしょう。

ではでは。


今日の一言。
カネダと言えば、このカネダでしょ。

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