サマリタン

映画、本、毛糸もろもろ。

訃報

11月17日、ミルトン・フリードマン氏が死去。
94歳。
心臓発作だったとのことだから、
長患いの末と言うわけではないようだ。

11月20日、斎藤茂太氏死去。90歳。
学者であると同時に作家。
90年と言えば、1世紀弱だ。
長寿と言ってよいだろう。

二人とも、最期まで精力的に活動していた。
生涯現役で長寿、急逝。
こんな風に人生を終えたいものである。

11月23日に死去された灰谷健次郎氏は、72歳であった。
まだまだ若く思える。

司馬遼太郎氏は、74歳で没して10年が経った。
遠藤周作氏も73歳で没し、ちょうど10年。
死後、もうそんなに経ったのか、と思われる人ほど、
惜しまれた人である、
と聞いたことがある。
二人とも、未だに新刊本が本屋に並ぶ。
それだけ需要があるのだろう。

けれど、司馬遼太郎氏については、
大衆的な歴史小説家としてより、
いわゆる司馬史観が、一人歩きしている状態ではないか。
例えば、学校の歴史の授業に司馬遼太郎の文章を使ったらどうか、
という提案を新聞等で見かけることがある。
私は、それは、ちょっと危険な発想だと思う。
(イタリア史には塩野七生を、とは聞かないような。)
個人的に愛読するのは問題ないが、
それを公式の授業に用いるのは、偏りすぎる。

司馬遼太郎の語り口はカッコいいからな。
国だとか品格を語りたがる人にはちょうど良いのだろう。
でも、司馬氏はあくまで一小説家であった。
本人の意図とは関係ないところに、勝手に利用されている。
死んだ人は何も言えないのだ。

今日の一言
ちなみに、日野原重明氏は95歳。
まだまだ現役。