サマリタン

映画、本、毛糸もろもろ。

若様、結構イケてます。

目的もなくテレビのチャンネルを回したとき、時々見てしまう番組の一つが、
NHKの「きよしとこの夜」。
MCはご存知若様こと氷川きよし
ゲストを交えて、歌だけでなく、トーク有り、ミニコーナー有り、
いろんな若様が見られます。
特にファンでなくとも、結構、面白いのだ。
今日も見てしまった。

氷川きよしは、一見すると、中高年女性が好みそうな、
好青年風演歌歌手であるが、
演歌ファンでもない私から見ても十分に魅力的だと思う。
彼には、衒いがない。
笑いを取りにいったり、巧くやろうと言う狙いがないように見える。
演歌界の若様であり、圧倒的な支持を受けていることが大きいのだろう。
与えられた「氷川きよし」像を受け入れ、
期待を裏切らないのだ。
力まず、自然で、悠々としているように見える。
ある意味、お笑い番組より、ずっと気楽で、安心していられる。

お笑いでは、視聴者は常に解釈を求められ、
繰り出されるネタに対して、是か非かと言う価値判断を迫られるものである。
お笑いは、能動的で戦略的に楽しむべきものだ。
視聴者は、ネタを受け入れたかどうか、つまり笑えたかどうかによって
自分の価値観を問い直し、自己呈示をしている。
もっと簡単に言えば、
「(タレントの)○○って面白いよね」=「○○を面白いと思う私」
と言う関係を説明していることである。
最近のお笑いブームは、自分語りのツールの一つとして、
「こんなネタに笑える私(または俺)」
と言う自己呈示が、若者同士のコミュニケーションで有効に働くからではないか、と思う。

氷川きよしは、この流れには居ない。
彼は、視聴者に笑うことも、判断することも迫らない。
けれど、なんとなく笑ってしまうのは、見ている側も力が抜けているからだろう。

と、言ったみたが、
私自身、お笑い番組を、ほとんど見たことがなかったりする。
だから、若手の吉本芸人(本当に芸人と言えるのかは疑問だが)など、
顔も名前も持ちネタもよくわからん。
芸能ニュースもよくわからないし。

今週のL25(リクルート社発行のフリーマガジン)によれば、
男性も女性も異性に対して面白さを求める人が多いらしいが、
私にとって、面白いことは、さほど重要ではない。
多分、誰だって、年をとるにつれて、
笑わせてくれる面白い人より、一緒に楽しめる人が好きになる。

今日の一言。
若様の新曲が1年半ぶりに本日リリース!
なんと2曲(「あばよ」と「きよしのソーラン節」)同時だ。
セーラー服の若様もなかなかイケるぞ。